1. 記事の対象者

① 日本在住者:カリフォルニア州司法試験に挑戦することを検討中の方

② 米国在住者:カリフォルニア州等に留学中の方

カリフォルニア司法試験に独学で黙々と挑戦する会をご覧の方々

2. 読了に得られる情報

カリフォルニア州司法試験が実施される3つの試験会場を実際に訪問し、比較検討した結果を示します。

3. 要旨

オークランド・コンベンションセンター(4-1参照)を強く推奨します。 理由は、最も重要な理由から順に以下の通りです。 ①「ホテルとの近接性・接続性」★★★★★ カリフォルニア州司法試験の日程(朝の体力セーブ、昼休憩における昼食+休息、夜ご飯+就寝+翌日への疲労最小化)を踏まえた ② 「試験会場及び周辺環境:静謐性・トイレ・運営」★★★★ ③「空港から会場・ホテルへのアクセスの良好さ」「生活物資の調達の良好性」「コスパ」 ★★★★★

本記事は、さらに、推奨するオークランド・コンベンションセンターでのイメージを膨らませるための現地の会場写真(トイレ位置含む)及び当日に起こる情報(⚠知っておかないと損をする情報)を紹介します。米国現地ではなく、日本から渡米して受験する方のイメージトレーニングに最適です。

▲弁護士渡部が自ら撮影した、日本から受験される方用の下見(体験)動画

4. 詳細

4-1. (Highly Recommended)オークランド・コンベンションセンター

Oakland Convention Center 550 10th Street Oakland, CA 94607 Map

https://www.marriott.com/en-us/hotels/oakdt-oakland-marriott-city-center/events/ 

①「ホテルとの近接性・接続性」★★★★★

オークランド・コンベンションセンターが最強なのは、カリフォルニア州司法試験の日程(朝の体力セーブ、昼休憩における昼食+休息、夜ご飯+就寝+翌日への疲労最小化)を踏まえた場合、ホテルとコンベンションセンターが一体になっている点です。下記5に写真を掲載します。

試験会場とホテルとが一体という意味では、パサディナ(4−2)もシェラトンホテルが敷地内で接続しているものの、シェラトンの部屋数や会場から徒歩15秒でホテルエレベータへ、徒歩45秒で非常階段に接続できる点は比べようがありません。

なお、日本から受験される方が往々にして忘れがちなのが、宿泊ホテルでの部屋の階層を低層階にすることです。この点は、Expediaなどホテル予約サイトで予約する際に「希望」として「低層階」そしてできれば「エレベータから離れた場所(うるさい)」という点は伝えておきましょう。当日、エレベーターは大変混雑いたします。低層階であれば、非常階段を使ってすぐにストレスなく昇降でき、休憩時間もコントロールできるからです。この点、オークランドの試験会場と一体化しているマリオットホテルは、エレベータも4機あり、かつ、非常階段での昇降も容易です。

さらに、オークランドの強みは、現金・カードを持ち歩かなくて良いことです。ホテルに宿泊している場合、昼食の時間帯に、ホテル併設の2階カフェでサンドイッチを仕入れられるのですが、部屋番号をかけば部屋付けにできます。

さらにさらに、オークランドのさらなる強みは、朝・夜のホテルレストランからの部屋への「デリバリー」と「ピックアップ」があることです。予め予約をしておけば、朝6時以降、レストランでピックアップして、自室で、最後の復習をしながら、自分のタイミングでご飯を召し上がっていただけます。

そして、私には大変衝撃だったのですが、日本では英検やTOEICさらには公用試験で開場時間や試験開始時間が違えられることってないですよね。

ところが、米国カリフォルニア州司法試験は、超おおらか(言い換えれば、いい加減)でして、1日目も8時20分着席と書いてあるものの、実際にカリフォルニア州司法試験会場がOpenしたのは、8時10分前後、結局、会場をぐるりと囲むような福袋を買い求める人々の如き長蛇の列が生じ、会場周辺は非常に混雑・圧迫された状態でした。私も勝手がわからず列の最後尾に並び、「8時20分に全然合わないじゃん!カットオフされたらどうしよう!!」と超不安だったのですが、全く問題ありませんでした。1日目はFactとして、9時00分開始どころか、9時20分頃にスタートでした。午後もひどく、受験票には13時30分着席とありますが、結局、会場は13時45分ころまで解放されもせず、地べたに受験生が座り込み勉強するカオスな状態でした。試験の説明開始は14時00分から、試験開始は14時30分でした…。

結論:ホテルの部屋があれば、まだ会場が解放されておらず満員電車状態であれば(☓)列に並ぶ(◯)一端部屋にエレベータで戻って時間をつぶす、が正解です。なお、試験も正確には1時間遅れてまでの入場が認められており、日本と異なり、試験開始時間に座っている必要もなく、部屋があるのに列に並んだり、混雑している中で突っ立って体力を消費してイライラしてしまう必要はまったくありません。故に、この項目が最優先であり、かつ、オークランドが最強な理由です。現場の裁量が大きく、会場解放も試験開始時間も全てゆるゆるなのです。

② 「試験会場及び周辺環境:静謐性・トイレ・運営」★★★★ 

男性用トイレを利用される方(性別を問わず)

男性用トイレが試験前後を問わず、並ぶことがないほど多数容易されており、問題に感じることはないでしょう。そのため、非常にノーストレスでした。

女性用トイレを利用される方(性別を問わず)

女性用トイレが試験前には大変混雑し、20−30名以上の列が生じることを念頭に置く必要があります。そのため、トイレに関するテクニックとしては、女性用トイレを利用される多くの受験生が、試験のインストラクション(離席は自由、実際に結構な頻度と人が説明を聞かずにトイレに行く、なお、説明15−20分と長く、一回は聞いたほうが良いのですが、後は同じことをDVDのように繰り返すだけなので、聞かずに自由にトイレに行ってOKです。)

静謐性

試験会場の冷暖房の音もさほど大きくありませんでした。また、大カンファレンスルームのイスもメッシュで全くストレスなく心地よく、机もぐらつきもなく、パサディナのものと比べても、より安定して大きさを感じました。

運営

運営の方の人数も厚く、また、受験生を応援するような優しさがあり、非常にヘルプフルです。インストラクションでわからないことがあった場合も手を上げると優しくサポートをしてくれます。私の場合、花粉症がひどくてくしゃみをしていたら(ティッシュは持込禁則物であり、持込はチャプター6の警告対象となり、試験が無効になりうる)ティッシュボックスをそっと持ってきてくれました。

③「空港から会場・ホテルへのアクセスの良好さ」「生活物資の調達の良好性」「コスパ」 ★★★★★

SFO(サンフランシスコ国際空港)からUBER(日本でダウンロードして、使い慣れておくようにしてください)を使って30−40分、あっという間です。

後述の通り、ロサンゼルス周辺会場は、日本からの直行便を降りた後のアクセスが、いまひとつなこともあり、オークランドのアクセスの良さは頭一つ抜けております。

生活物資については、周辺がオフィス街のため、食料品店やドラッグストアがやや離れている点がありますが、といっても徒歩圏内なので、問題ありません。

ホテルで水は支給され、かつ、カフェでも変えるため、水に困ることもありません。ホテルのカフェで朝昼晩調達できるので、食料品も持込不要です。近くに、牛角オークランド店(徒歩3分)があるので、焼肉やラーメンが食べたくなったらぜひどうぞ。夜も大変静かです。

4-2. (次点)パサディナ・コンベンションセンター

Pasadena Convention Center  300 East Green Street, Pasadena, CA 91101
Map

https://www.visitpasadena.com/convention-center/planners/facility-map/

①「ホテルとの近接性・接続性」★★★★

シェラトンに宿泊すれば、オークランドと同じ恩恵を受けることができますが、ホテルの部屋数の問題と値段(結構高い!)があり、長期滞在する場合には、悩ましいところです。

② 「試験会場及び周辺環境:静謐性・トイレ・運営」★★★

高級住宅街であるためパサディナの周辺環境はとても優れており、試験勉強の気分転換に街を歩いても緑があふれ清々しいでしょう。トイレの数も問題なく、また、運営の方々も優しかった記憶がございます。

③「空港から会場・ホテルへのアクセスの良好さ」「生活物資の調達の良好性」「コスパ」 ★★★★

LAX(ロサンゼルス国際空港)から35マイル約60kmと距離自体は、オンタリオよりはまし、かつ、オークランドよりは遠いとあるのですが、一番の問題は、交通渋滞でございます。

ロサンゼルスから北部のベットタウンであるパサディナへの道は夜になればなるほど混雑を極め、1時間以上かかる場合もあります。

そのため、時差ボケのタイムアジャストメントがカリフォルニア州司法試験合格の鍵である日本在住者にとって、移動から発生する疲労リスク(ダウンタイム含む)は見過ごせません。

特に、日本―ロサンゼルス便は夕方前後に到着する便も多く、この点は、ご負担になるかもしれません。よほど地縁や思い入れがなければ、オークランドがよろしいのかなと思います。但し、①の通り、パサディナは高級住宅街であり、非常に静謐かつ1週間の過ごしやすさは抜群です。ひとたびホテルを抜け出せば、緑が広がり、比較的安全かつショッピングモールも有り、飲食店も豊富です。

もし、皆様が、初渡米又は米国で少し長めに時差ボケなどをならしたいのであれば、私は強くパサディナをおすすめいたします。個人的にはパサディナの街が一番好きです。

4-3. (選外)オンタリオ・コンベンションセンター

Ontario Convention Center 2000 Convention Center Way, Ontario, CA 91764
Map

①「ホテルとの近接性・接続性」★★★

ホテルと直結している点は◎

② 「試験会場及び周辺環境:静謐性・トイレ・運営」★★

トイレについても会場を下見する限り問題がなかったのですが、周辺環境が、本当に何もなく、あえて日本人が日本から受験する際にここを選ぶメリットはありませんでした。仮にロサンゼルス周辺としても、穴場を狙わず、生活環境が良いパサディナをおすすめします。

③「空港から会場・ホテルへのアクセスの良好さ」「生活物資の調達の良好性」「コスパ」

めっちゃ遠い。下見に行っただけで疲れました。LAX(ロサンゼルス国際空港)から約90km。新宿ー八王子が35km、新宿ー横浜が35kmなので、新宿から三浦半島の最先端(約90km)までを移動する感じです。SFOとオークランドのカリフォルニア州司法試験会場は23マイル(約35km)なので、いかに遠いかがわかります。

オンタリオ近くには主に米国国内線が発着するオンタリオ国際空港(日本便はない)があり、かつ、ホテルが非常に郊外で安価なため、米国在住かつオンタリオ国際空港にアクセスがある方や、ロサンゼルス在住で、あえて、パサディナではなく、1泊2日(または2泊3日)の短期試験旅行に出かける方は、オンタリオも有りだと思います。しかし、周辺にめぼしい飲食店や生活必需品を販売する店が徒歩圏にはなく、コンビニしかなく、食糧事情や休息環境が正直いまいちです。クルマは必須。

5. 日本在住の受験生が外してはいけないこと

  1. ホテルは会場と接続した場所を選ぶ(ここに予算をかけて、ケチらない)。オークランドであればマリオット。パサディナであればシェラトン(私は徒歩圏のヒルトンにして、接続するホテルに受験生が昼休み戻って休息・ランチをしているのを見て強く後悔、とにかく、当日はAwayで休む場所がないのはきつい)。
  2. 会場を下見する
  3. 代替案①動画を確認する
  4. 代替案②写真をながめてイメージを作っておく

6. Appendix

Los Angeles Area

Ontario Convention Center

2000 Convention Center Way
Ontario, CA 91764
Map

Pasadena Convention Center 
300 East Green Street
Pasadena, CA 91101
Map

San Francisco Bay Area

Oakland Convention Center

550 10th Street
Oakland, CA 94607
Map