1月に大統領令?法務も気になる民間のファーウェイ/ZTEの機器禁止報道

米国 民間企業の機器使用禁止検討の日経新聞報道

日本経済新聞が9面の目立たない箇所に記事をみると、日本の法務部門が米国での法令遵守に関して気になる記事が出ていました。早速、Heads-upコラムとして共有いたします。

トランプ米大統領は米国企業に対し、安全保障上重大な脅威となる外国メーカーの通信機器の使用を禁じる大統領令を出す検討に入った。早ければ2019年1月にも発動する。ロイター通信が通信業界や政府筋の話として報じた。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の社名は明示しないが、2社の機器を米市場から事実上閉め出す狙いとみられる。

ファーウェイやZTEの機器 米、企業の使用禁止検討 2018/12/28付 日本経済新聞 朝刊

出典はロイター通信、では情報源は?

米国のニュース記事も、いずれも出典はロイター通信。そこで、ロイター通信の元の記事を確認します。

Exclusive: White House mulls new year executive order to bar Huawei, ZTE purchases

ロイター通信

法務部門・組織内弁護士としては、まず「Exclusive」であることに目が行きます。そして、頭の中で、なぜ「Exclusive」なのかを検討することになると思います。さらに、ロイター通信の記事のソース(情報源)を最初に確認します。政府機関がロイター通信に流したことが明示されているのか否かで、情報の信用性などのパラメータが変わるためです。

three sources familiar with the situation told Reuters

同上

上記の通り、政府機関とも政府筋とも明示されておらず、かつ、情報源もやや曖昧に思われるます(threeとあえて書いているのは情報の信用性を合理的に高めるためと思われます)。したがって、健全な合理的疑義を持ちながら読み進めていくのが適切と思われます。

「検討」されている規制の中身は?

ロイター通信の記事によれば、「The sources said the text for the order has not been finalized.」(大統領令の草案[ドラフト]はファイナライズされていない)と説明され、さらに、記事中には、米国民間事業者の範囲も定義も現時点では報道されていません。

したがって、現時点で、端的に日本のドコモ、ソフトバンク、KDDIのような米国の通信事業者に関する規制なのか、より広範な定義の米国の事業者(例えば、金融、製造業、小売、エネルギー、インターネットサービス事業者など)に関する規制であるかは判然としていません。

なお、記事では、米国の農村部のワイヤレスが中国製品に頼っていることやその交換には莫大な費用がかかることが述べられており周辺情報としては勉強になりますが、日本の法務部門や組織内弁護士とは直接関連がなさそうであるため割愛いたします。

研究用資料

  1. 2018年12月27日付ロイター通信の報道
  2. H.R.5515 – John S. McCain National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2019 [国防権限法]

法務Heads-up手控え

  1. 法務部門としては、現時点で影響が読めないため、まずは続報に留意しつつ、大統領令が本当に施行されるのか否か情報収集にあたることになると思われます。

(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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